トップページ > 大師之寺縁起
当山は、高野山真言宗に所属する寺院です。明治三十年(1897)、隆道和尚がこの地に立ち寄られた際、小堂を建立して弘法大師をお祀りされ、大師信仰の説教所として開山されました。
太平洋戦争が勃発すると、四日市周辺の空襲によって、御堂は悉く焼失してしまいましたが、幸いにも本尊である弘法大師様は、その難を免れることが出来ました。戦後の昭和二十五年(1950)、名古屋の松林寺が廃寺となるのに伴い、同寺の本尊であった弘法大師像を合祀して再建され、寺号を「大師之寺」と定められました。昭和六十二年(1987)四月には本堂を移転、修築すると共に、第三世了照和尚 が美濃の国分寺で修行を積まれたことをご縁に、現在の薬師如来様が改めてご本尊としてお迎えされました。
高野山真言宗は、弘法大師空海が、唐の青龍寺恵果和尚より真言密教の教えをことごとく授かり、弘仁七年(816)に嵯峨天皇より高野山の地を賜り、開山されました。以来、根本仏である大日如来を教主とし、日本八宗のひとつとして、時代と共に多くの人々の信仰を集めています。
現在、「真言宗」と名付く宗派は十八派が存在します。とりわけ、高野山奥之院・弘法大師御廟を信仰の源泉とし、壇場伽藍を修学の場所として、真言密教の教えと伝統を今日に伝える私たちの宗派を「高野山真言宗(こうやさんしんごんしゅう)」と言います。